益岡 想
慶應義塾大学経済学部卒のアメリカ在住12年間の帰国子女。
英語検定一級、TOEIC990点、TOEFLiBT 110点超え。TOEICは990点を一度だけでなく、3回連続で出している。数々の日本の英語検定系の試験を受けてきて、高得点を叩きだしてきた。
TOEICフルスコア獲得者が、徹底的に世の中のTOEIC参考書をリサーチし、その内容を紹介しています。
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TOEIC300点はどのくらいのレベル?
TOEIC300点は端的に言って英語初歩レベルとなります。
英検に換算すると4級相当となり、レベルとしては中学2年生程度。
TOEIC300点代という方は、まず基礎レベルの英語を着実に身につけてスコアをあげていきましょう。
ただ、伸び代がある点数でもあります。
目標とすべきスコアは600点でいいでしょう。
それ以下の点数の対策はむしろ効率が悪い可能性があります。
600というスコアは英語の実力としても、スコアの有用性としても意味のあるレベル。以下では、詳しく解説します。
企業が求めるTOEICスコアとは?
TOEICのスコアの役割は英語力を図る指標だけではありません。
企業にとって、TOEICスコアは、どの程度目標に対して成果を出せるかというわかりやすい基準になります。
東証一部上場企業では、600点が使用できる最低点と言われています。
要求スコア | 企業 |
600点以上 | ANA,アサヒビール,シチズン,出光興産,王子製紙,ニトリホールディングス, |
700点以上 | NTT東日本,ソフトバンク,ファーストリテイリング,三菱電機,ヤマト運輸, |
800点以上 | 野村ホールディングス(G型社員),NTTコミュニケーションズ,住友不動産 |
就活でエントリーシートに書けるレベルは600点あたりからと言えるでしょう。
英語を聞き取れて読める体験をした人は、勉強が必ずしも苦ではなくなるものです。
英語を楽しく学べるようになるためにも、まず600点は目指したい指標といえるでしょう。
300点から600点獲得に必要な単語数は?
TOEICにおいて、ボキャブラリーが直接問われることがあるのはPart5,6の長文・短文穴埋め問題です。
しかし、表現がとにかく多彩な英語においては、長文読解など英語理解に単語や文法、熟語の知識は必要不可欠です。
点数 | 必要語彙数 | 必要な勉強時間(100点前から) |
600点 | 5,000語 | 225時間 |
700点 | 7,500語 | 225時間 |
800点 | 8,500語 | 275時間 |
900点 | 10,000語 | 325時間 |
600点突破を狙う人はとにかく5,000語以上の単語・熟語を覚えましょう。
文法に関しては一度学んでしまえばずっと覚えていられるのでやはりネックは、単純な知識量。
TOEICスコアを300点から600点にする時間
上記の表が、現在のスコアに対して目標スコアを達成するための目標時間です。
一般的には、100点スコアをあげるのに200時間以上の学習が必要になり、200点スコアをあげるにはその3倍の時間が必要とされています。
TOEICスコア300点の人が600点を目指すためには、700時間の学習は必要ということになります。
大変なようにも思えますが、1年間1日2時間の英語学習を守り続けていれば確実にハイスコアを獲得できます。
方向性を間違わずに毎日コツコツ勉強することができれば、600点以上取ることは難しくありません。
TOEIC300点から600点まで伸ばす戦略
では、実際に初心者の方がもっともスコアを効率良く伸ばす戦略について解説します。
短期間で高密度の勉強をする
英語学習というのは高度になるほど大変そうに思えますが、実際はそれと全く逆で、最初のうちが一番大変と言われています。
逆に上達すればするほど、何をすれば自分の英語力が上がるのか解るので、最初の頃ほど勉強は大変ではなくなっていきます。
つまり、短期間集中して英語学習をすることで、早めにその辛い時期を脱出することができ、長い間勉強することができるのです。
1日2時間を250日かけて行うより、1日4時間を125日……と、期間を圧縮していくことで、飛躍的な成長が見込めます。
これを高原現象(プラトー)と言います。
TOEIC300点の人が600点に伸ばすためには、700時間の学習を出来るだけ短期間で終わらせるのが大切。
月120時間以上勉強して半年で終わらせるのが良いでしょう。
音を中心にした学習をする
TOEICのスコアが伸びない方に多い特徴として、声に出して練習しない、という特徴がよく見られます。
学校の教育では、国語の教科書など必ず音読しましたよね。音読というのは読書のトレーニングとして古くからあります。
例えば日本語の本でも同じで、すらすら音読できない本はそもそも読み進めるのも遅いはずです。
これは文章を読み進めるには、「塊で理解する」ということが求められますが、聞き慣れない単語や言い回しがあるとそこでテンポが狂い、途端に理解しにくくなるため。
英語では特に顕著で、「知ってはいるけど自分のものになっていない表現」がたくさんあります。
音読で実際に口に出すという行為は、この「聞き慣れない単語、言い回し」を自分のものとする最も優れたトレーニングと言われています。
その際には必ず付属の音源を聞き、正しい発音をなぞっていきましょう。
- 英文と音声がセットになっている教材を用意する
- 英文の音声を再生する(最初は短い文章から)
- 音声を聞いた後、文章を読みながら音読する
- 慣れてきたら、音声を再生しながら、被せるように同時に音読する
初心者におすすめの参考書
続いて、TOEIC300点台から600点以上へのスコアアップに使える、初心者向けの参考書を勉強方法、勉強プラン付きで解説していきます。
はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト全パート完全攻略
参考書の特徴
- 初級者〜中級者向け
- TOEICの全パートを網羅
- TOEICの模試つき
TOEICを初めて受けるという初心者に特におすすめしたいのがこちらの参考書。
模試がついているので、まずはこの参考書を買うのがおすすめですが、TOEIC上級者の方には物足りないかもしれません。
出てくる単語がも初歩的なものが多く、初〜中級者向けのものになっています。
何から始めれば良いかわからないという人はこの本を買うところから始めてみましょう!
- 形式と攻略法
- 600点/730点以上突破攻略問題
- 頻出表現50
- 実践問題
TOEIC300点レベルからの文法学習
、基本5文型から始まり、前置詞の使い方、受動態などごく初歩レベルの文法書。
中学レベルの文法からわからない、復習したい人のための一冊です。
ただ読むだけでは恐ろしく退屈で、しかも効率が悪いです。
まずは例文を紙に書き写し、本文を読んでその例文の周りに色々メモをしていくスタイルがおすすめ。
- 1Partを2日で終わらせる
- 1日かけて1Partを復習。間違えた実践問題を紙に書き起こして解説を元にメモしていく
- 上記を5Part分繰り返す
単語学習
参考書の特徴
- 初級者〜中級者向け
- わかりやすい解説
- 収録単語数はやや少ない
TOEICの頻出単語を丸暗記ではなく、語源や語呂合わせなどの解説を通して覚えさせてくれる単語帳。
丁寧に解説されてるあまり、網羅されている単語の数はそこまで多くありませんが、最初の一冊として非常に優秀です。
- 1日3~4章ずつの学習をし、3日で3週する。
- 12~13日間で1冊完了
- 残り1日で3周しても覚えられなかった箇所を修正
リーディング対策
TOEIC Part7の読解パターンをレベル順に掲載して解説していく問題集です。
特徴としては、「速解ポイント」という問題を速く解くコツが紹介されている点。TOEICハックとでも言える知識がサクッと身につくのは本書ならでは。
さらに、Webサイトで音声をダウンロードでき、音源を使った学習にも対応しています。
- まず普通に問題を解いてみた後
- 音声をダウンロードして、再生しながらスクリプトを見て音読
- 慣れてきたらスクリプトなしで音読
- 【レベル別】TOEICリーディングの勉強法で対策するべきポイント
- 【TOEIC】フルスコアラーが選ぶリーディングのおすすめ参考書9選
- 【TOEIC リーディング・読解】おすすめ参考書と対策法を徹底紹介
- 【TOEIC リーディング・読解】おすすめ参考書と対策法を徹底紹介
暗記も努力も我慢もゼロなのに英語力が伸びる
日本人の英語の悩みをすべて解消する「多読」の最新事情と実践法が分かる本。
暗記も努力も我慢も必要ナシ! 誰でもできる英語をたくさん吸収するコツを教えます。
リスニング対策
キクタンのTOEIC対策シリーズのスコア500レベル。
キクタンは「音声を中心にして英単語を覚る」をコンセプトにした英語学習の定番シリーズ。
TOEIC対策バージョンとなるシリーズはTOEICの必修の名詞から動詞、形容詞、副詞などを網羅。
本書は、単語を学ぶパートと、実際にその単語が使用される例文パートで構成されます。
学習方法としては、まず単語の意味と発音をセットで覚え、その後、例文パートを暗唱。
発音を意識して、日本語訳の後に英文をとっさに言えるようになるまで練習しましょう。
- Chapter1を15日間
- Chapter2を7日間
- Chapter3を7日間
- Chapter4を15日間
- Chapter5を7日間
- Chapter6を7日間
- Chapter7を3日間
- Chapter8を7日間
そして実はこのキクタンシリーズのオーディオブック版は「audible」と言うサービスを使えば無料で入手可能です。
udibleは国内最大級のオーディオブックサービスで、実用書を始め、英語参考書、洋書、小説などあらゆるジャンルのオーディオブックを提供しています。
TOEICをはじめとした学習書なども多く、最近では、英語学習界でにわかに注目を集めています。
月額は1500円ですが、毎月本が1冊無料になるだけではなく、会員専用聴き放題チャンネルなどもあるのが特徴。
30日は無料体験期間となっており、途中で退会しても無料で手に入れた本も含めて、購入した本は無くなりません。
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コーチはレベルに合わせた課題やアドバイスをしてくれるので、初心者から上級者までスコアアップを期待できます。
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まとめ
如何でしたでしょうか。
TOEIC300点を突破するイメージは湧きましたでしょうか。
ご紹介した参考書が少しでもお役に立てたとしたら幸いです。
また、得点別にTOEICおすすめ参考書をご紹介しています。
是非、そちらの記事も参考にしてください。
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