「オーディブル」というオーディオブックサービスをご存知でしょうか?
実はこのオーディブル、うまく使えば格安で英語学習ができると英語学習界で今話題となっています。
とはいえ、実際にどう使うのかについて、自分は今ひとつよくわかっていませんでした。
ということで、本当にオーディブルが英語の勉強に使えるのかどうか試してみました!
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そもそもオーディブルって何?
オーディブルは簡単に説明すると、本の朗読音源を配信しているサービスです。
オーディオブックというと日本ではまだ馴染みがないですが、アメリカでは出版界を中心に、大きな注目を集めているとのこと。
日本でもいくつかオーディオブックサービスが展開していますが、そんな中でオーディブルは、豊富な書籍ラインナップが特徴。
実は聴き放題サービスというわけではなく、月額は1,500円で、毎月一冊どんな本でも無料ですが、2冊目からは30%オフの価格で購入という形になります。
そしてこのオーディブル、上手く使えば英語の学習に使えるとのことで、英語学習会でもいろんな人が学習に取り入れ始めています。
オーディブルのサービスについて詳しくは、「【今なら1冊無料】Audibleってなに?英語の勉強におすすめな5つの理由とは?」の記事にて解説しております。
実際に使い始めるまで
ということで、早速オーディブルを使っていきます。
まずはサイトから会員登録。Amazon傘下にあるため、Amazonの登録情報があればほぼワンクリックで登録できます。
最初の30日間は無料トライアル期間のため、料金が発生しません。
アプリをインストール
ブラウザでも使えるオーディブルですが、やはり機能のことを考えたらアプリをインストールするのがおすすめ。
ブラウザだと音源のダウンロードができず、ストリーミングのみ。
本を選ぶ
少しややこしいのですが、実はアプリからはオーディオブックを購入することができません。
したがって、本をコインと交換したり購入したりはサイトから行う必要があります。
▼左がアプリ画面。購入ボタンがない。
改めて、サイトに入って目的の本を選びます。
ビジネス書籍からSF・ファンタジー、洋書、現代文学などあらゆるジャンルが揃っており、ちょっとこの時点でテンションが上がります。
ちなみにトップページでは人気書籍がピックアップされており、ちらっと見た感じでもかなりの名著が揃っている感じでした。
今回は「英語学習に役立てる」というミッションがあるため選べませんが、正直、かなり目移りすること間違いなし。
久しぶりに書店に入った時のワクワク感みたいなものを味わいました。
▼ジャンルが充実している
そして、もちろん洋書・英語参考書もラインナップされています。
特に洋書はオーディブルがもともと海外発のサービスということでかなりの数が揃っています。
▼胸おどる洋書の表紙
色々迷った上で、今回はシャドーイングの教材を探していたので、オーソドックスに「ハリー・ポッターと賢者の石」をチョイス。
理由としては、サンプル音声を聞いてみた感じ、割とゆっくり目であるところ、また後述しますがスクリプトが入手できることから。
オーディオブックはいつでも返品できる
オーディブルは聴き放題サービスではないため、同じ月に1冊以上欲しくなった場合は追加で購入する必要があります。
その場合も、会員なら特典として定価より30%割引と優遇されますが、実は、合わないと感じた本はいつでも返品可能で、365日の間返品することができます。
そして、自分に合わなかったら無条件で返品可能なので、実はあまり悩む必要はなかったりします。
パッとダウンロードして合わないと感じたら別の本を選べるのはオーディブルの非常に面白いポイントだと思います。
ちなみに、ダウンロードしたオーディオブックはオーディブル自体を解約しても手元に残ります。
実際に英語学習に使ってみる
では、実際にアプリを使用していきたいと思います。
アプリを起動すると以下の画面になりますが、先ほど購入した本を聴くには下部のメニューバーから「ライブラリー」を選択。
後は購入した書籍から聴きたいものを選ぶだけ。
音源はダウンロードする必要があるためある程度スマートフォンなどの容量を食いますが、それでも音声データなのでそこまででもありません。
ちなみに、スマートフォンからデータを消しても何回でもダウンロード可能。
使い方はほとんどの音楽プレーヤーと同じで、体感的に操作できると思います。
ただ、オーディオブックのプレーヤー独自の機能として、「再生速度の調整」と、「ブックマーク機能」、「スリープタイマー機能」があります。
再生速度の変更は、再生速度を0.5倍速から2倍速まで細かく調整できる機能。
試しに使ってみましたが、0.5倍速するとかなり聴きやすくなりますし、2倍速するとかなりトレーニングに使えそうな感じがしました。変速リスニングに使えそうです。
ブックマーク機能は文字通り、自分が聴いた箇所にしおりを挟んでくれる機能。
ちなみに複数のブックマークが挟めるので、中断した場所以外にも後でシャドーイングしたい場所だったり、いまいち聞き取れない場所だったりをマークしておくのにも便利です。
スリープタイマー機能は主に寝る前に使用することを想定された機能で、何分後に再生をストップするかを設定することができます。
シャドーイング教材として使用
シャドーイングとは、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけて発音する英語の勉強法。
例えば、「an apple」と言う単語を正しく発音するには、実際は、「アン アップル」ではなく、「アナッポゥ」という発音となりますが、これを知らないとリスニングにおいても「an apple」と言う単語を聞き取ることができません。
シャドーイングをするとこの発音を自然に覚えていくことができるので、発音とリスニングが同時に向上します。
実際にオーディブルから、トールキン著「ホビット」のサンプル音声を掲載しますので、シャドーイングを試してみてください。
いかがでしたか? 初めてだとリスニングさえ難しかったのでは、と思います。
シャドーイングは、スクリプトがない状態だと困難な上級者向けのトレーニングです。
したがってシャドーイング初心者の場合はまず、スクリプトを読みながら行う「オーバーラッピング」から始めます。
「全然できないし、めちゃくちゃ大変だな」と思った方も結構多いはず。
それは英語を発音する能力、そしてリスニング力がまだまだ足らないからに他なりません。
だからこそ、自分が今まで鍛えてなかった発音、リスニングを強化するトレーニングとしてシャドーイングは有用なのです。
スクリプトと組み合わせる
実際にオーディブルを使って「ハリー・ポッター」を聴いてみたところ、割とゆっくりとは言え、やはり初心者的には音源だけだと難しく感じました。
そこで、「ハリー・ポッター」の洋書を別途手に入れます。
今回、この本を選んだ理由になるのですが、実は「ハリー・ポッター」の洋書はKindle Unlimitedという同じくAmazonの読み放題サービスで無料で提供されています。
他にもKindleで安くなっている洋書でオーディブルでも音源があるものなどもおすすめ。
記事の最後の方で、いくつかおすすめをピックしますのでぜひご覧ください。
ということで、洋書版「ハリー・ポッターと賢者の石」を購入。
ちなみに、Unlimitedだとシリーズが無料で手に入るのですが、「賢者の石」だけ普通のバージョンが有料で、この「動くイラストつき」の豪華バージョンが無料となっています。
聴き放題チャンネル「World News」
極力コストをかけずに勉強したい人におすすめしたいのが聴き放題チャンネルの「オーディブルステーション」。
会員限定の無料サービスとなっており、追加のお金をかけずにオーディオを視聴できます。
この中でおすすめしたいのが「World News」。
これは日経が提供する日本についての英文ニュースをオーディオで提供したものです。
「Nikkei Asian Review」から元記事を探せばスクリプトも一緒に手に入るため、シャドーイングの教材として使えます。
しかもニュース頻出語なども自然と身につくので、TOEICなどのビジネス英語テストなどの教材として普通に優秀です。
▼スクリプト込みで無料教材に
TOEIC学習への使い方
さて、ここまで使い方を説明してきましたが、続いては勉強への生かし方について。
オーディブルは実はTOEIC学習にも使うことができます。
TOEIC対策としては、「World News」を使うのがおすすめ。
そもそもTOEIC対策というと頻出語彙対策と思いがちですが、実際は「速読力」と「リスニング力」が重要です。
速読力とリスニング力というのはそれぞれ、音読とシャドーイングによって培われます。
したがって、勉強としておすすめしたいのが、「World News」を使っての音読とシャドーイング。
1日2時間こなしていくことで、TOEICのリスニングパート、長文パートはほぼ攻略できるでしょう。
▼ちょうどTOEICより少し難しいレベル
「World News」を普通に聞き取って理解できるレベルになればTOEICのリスニング・リーディングはほぼ対策できるでしょう。
そして、オーディブルにはTOEIC用の教材も多くあるので、サブにそちらも使うのがおすすめ。
主に単語リスニングが多いので、頻出の例文を覚えたい場合、もっと語彙を増やしていきたい場合に役立つはずです。
初心者向けのおすすめ英語学習本
英語初級者におすすめしたいのがpdf教本付きの「聞き流すだけで英語をマスター」シリーズ。
日本語から英語、という流れで進むため意味も理解でき、細かく区切られているのでトレーニングしやすい設計となっています。
pdf教本には日本語訳・英文が乗っているので、最初のうちは教本を見ながら練習していくのがおすすめ。
▼スクリプトがセットに。
ローマの休日
ロミオとジュリエット
イソップ物語
中級者向けのシャドーイングにおすすめの本
英語中級者におすすめなのが児童書や絵本を使ったシャドーイング。
だいたい中学レベルの読解力があれば大まかには読めます。
ただし、デフォルトの再生スピードだとかなり早いので、慣れないうちはスピードを0.8倍などにしてシャドーイングをしましょう。
また、スクリプトを別途入手する必要がありますので、オーディブル版と共にKindle版などを買うのがおすすめ。
▼Kindle版は書籍版より安いことが多い。
以下では、おすすめの児童書をサンプル音声とサンプルテキストつきでピックアップ。
ピーターラビット
エルマーのぼうけん
くまのパディントン
上級者向けのオーディオブック
さらに上級者向けのオーディオブック。
かなりレベルが高く、本当にこれから英語力を伸ばしたい人におすすめの本です。
スティーブ・ジョブズ
Guns, Germs and Steel
「Guns, Germs and Steel(邦題:銃・病原菌・鉄)」は世界中でベストセラーとなったジャレド・ダイヤモンドによる文化人類学の名著。
Kindle版がなんと350円で購入できるので、オーディブルのお供としておすすめの一冊です。
内容は難しいですが、小説のような砕けた表現などが出てこないので、実はリスニング・シャドーイング教材としてもおすすめ。
「原書で読んだ」と言ったら一目置かれるタイトルです。
The 7 Habits of Highly Effective People
「The 7 Habits of Highly Effective People」は邦題「7つの習慣」で知られる世界的ベストセラー。
自分の運命を自分で切り開くための奥深いアドバイスをわかりやすく教えてくれる人生哲学の定番です。
複雑でウィットに富んだ会話表現で難しくなりがちな小説作品より読みやすく、シャドーイング・音読教材としておすすめ。
まとめ
実際にオーディブルを使ってシャドーイングしてみて感じたのは、かなり大変だな、ということ。
音声を再生しながらスクリプトを音読していると、自分の発音能力がかなり低いということが客観的にわかり、かなりのトレーニングになります。
ただ、あまりにも自分の発音が音声に追いつかないので、最初のうちはかなり辛く、根気が必要でした。
それだけに一冊やり終えたとしたらかなりの英語力がつくのではないでしょうか?
オーディブルで勉強するメリット
TOEICも含めて、世の中に出ている教材というのは単語やリーディング、リスニングなど細分化されています。
それ自体は悪いことではないのですが、「どれからやれば良いの?」と正直、尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか?
例えば私たちが幼い頃日本語を身につけていく過程でも、単語や読解、リスニングなど分けて学習していった訳ではありませんよね?
それと同じで、英語も本来は1つの教材をうまく活用すればほとんどの能力を身につけることができるようになっています。
オーディブルは、そういう意味で一冊じっくり取り組むことで、リスニング力、発音を中心にかなりの英語力を身につけられるのではないでしょうか。
洋書以外のオーディオブックも豊富
また、英語の本以外にもラインナップが充実しているのも魅力。
特に、「ながら作業」のお供として嬉しいビジネス書、ハウツー書が充実しているのは大きな強み。
エクササイズしている時、家事をしている時など「頭は使わなくても良いけど手が物理的にふさがっている」時などに音楽以外の選択肢として読書が入ってくるイメージです。
長距離バスや車での移動時など、スマホに触ると酔ってしまいがちな体質の人にとってはまさに新しい選択肢と言えるのではないでしょうか。
英語の学習用に入手した本が読み終わらないまま1ヶ月経った場合、こういった日本語のオーディオブックを試してみるのもおすすめです。