益岡 想
慶應義塾大学経済学部卒のアメリカ在住12年間の帰国子女。
英語検定一級、TOEIC990点、TOEFLiBT 110点超え。TOEICは990点を一度だけでなく、3回連続で出している。数々の日本の英語検定系の試験を受けてきて、高得点を叩きだしてきた。
2020年から小学校で必修になり成績がつくと言われる英語教育。お子さんにどんな準備をして良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、小学生の英語学習に対し家庭で何をするべきか、学年別のおすすめ英語勉強法や教材をご紹介します。
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Page Contents
小学校英語必修化に向けて家庭で出来る3つのポイント
英語教育の早期化や学習内容の増加に対し、家庭で出来ることは何でしょうか?
一番大切なことは「子どもが英語嫌いにならずに英語学習を進められること」です。
小学生の英語学習の全体におけるポイントを3つ紹介します。
英語に対する興味を持たせ継続させる
自分の小さい頃を思い出してください。本を読むのが好きなら、小さい頃に好きなキャラクターや主人公に魅かれて沢山の本を読みませんでしたか?
算数が好きだったのなら、問題が解けた喜びや褒められたことが印象に残っていませんか?
英語の学習も同じように、興味を持つこと、成功体験を積むことが大切です。
英語に興味を持つきっかけを与え、英語を使う楽しさを感じてもらうことで、中学生以降に「自ら目標を立てて学習する」習慣がつけられます。
4技能を発達段階ごとにバランスよく勉強させる
言語学習の4技能をご存知でしょうか?
「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つのスキルのことを指します。
これまでの日本の英語教育は「読む」「書く」中心だったのに対し、今後は「聞く」「話す」を含めた4技能をバランスよく習得し、英語を使えることに重点が置かれます。
小学校では、中学校の英語学習にスムーズにつながるように、3~4年生では「聞く」「話す」を中心に英語に親しみ、5~6年生では「読む」「書く」を加えて学習します。
家庭でも同じように発達段階ごとにバランスよく英語を勉強させる必要があります。
英語学習の教材を用意する
上記の2つのポイントをおさえて上でお子さんに必要だと思う教材を用意しましょう。
低学年のうちは英語に慣れ親しむことが目的なので、家庭にあるテレビやスマートフォンを利用したり、図書館や古本市を利用して費用を抑えましょう。
高学年では英語を「勉強する意識」を高めるために市販のワークなどを利用してみましょう。
学年ごとにおすすめの教材を紹介しますので参考にしてください。
【小学校低学年】英語を遊びに取り入れ親子一緒に遊ぶ
小学校1~2年生では英語の授業は必修ではありません。
しかし、英語の授業が始まる前に英語に親しみ興味を持ってもらえば学校の授業に積極的に参加できます。
「英語を勉強する」というよりかは、「英語で遊ぶ」スタンスで親子一緒に楽しみましょう。
もう1つ小学校低学年で英語を学ぶポイントは、英語を「聞くこと」です。
小さい頃に英語を聞かせたから話せるようになるわけではありませんが、英語の音を聞いて慣れる期間が長いほど、リスニング力が向上します。
沢山英語を聞かせるための方法もお伝えするので参考にしてください。
【読む】絵本で単語とイメージをつなげる
小学校低学年はまだ日本語の読み書きも基本を勉強しているので、英語を読む活動は絵を使って勉強すると親しみやすいです。
初めは絵本をお子さんに読んであげながら、聞いた英単語と絵を繋げて理解させます。
慣れてきたら、読んでいる部分の文字を指で指し、文字が絵を説明していることを教えましょう。
大切なのは、全ての単語や文章を理解させる必要はないことです。
ものの名前、数、色などを小学校3年生から学ぶものを意識しながら親子一緒に絵本を読んで楽しみましょう。
【聞く】テレビや動画で生の英語を聞く
英会話教室に通わなくても、今ではテレビやスマートフォンを利用して生の英語を聞けます。
子ども向けの英語番組では、生活で良く使う英語表現を練習したり、クイズや歌を織り交ぜた構成になっているのでとても人気があります。
録画して何度も見れば繰り返し聞いてそのうち真似して話すようになります。
動画サイトを利用すれば、童話を聞いたり、アニメを字幕付きで見れたり様々な動画が見れます。
意味を理解するのはとりあえず後回しにして、まずは英語の音を楽しみながら聞く工夫をしてみましょう。
まずはお気に入りの番組や動画をお子さんと探し、繰り返し見ながら英語の音に慣れていくのがおすすめです。
【話す】英語の歌を聞いて口ずさむ
「学ぶ」という言葉が「真似ぶ」に由来するように、英語の学習も真似から始めてみましょう。子どもの吸収力に驚くことが保護者の方なら何度もあったはずです。
テレビや動画で流れる歌を意味がわからなくても大丈夫なので一緒に歌ってみてください。
一緒に歌うために英語を注意深く聞くようになり、英語独特の発音や、単語と単語の繋がりなども意識して歌うようになりますよ。
【小学校中学年】英語に沢山触れて子どもの興味を引きだす
小学3~4年生では、外国語活動で「聞く」「話す」活動を中心に学びます。
成績はつきませんが5~6年生の「外国語」の授業に向けて英語に慣れ親しめるように家庭でも工夫しましょう。
英語に慣れ親しむ中でお子さんが「もっと英語を勉強したい!」と思えるきっかけを作るのも勉強を続ける上でとても重要です。
【読む】絵本から漫画や小説にレベルアップして語彙力もUP
小学校低学年では英語と絵をつなげて英語を学ぶ方法をご紹介しました。
小学校中学年では言語能力や認知能力も上がり、日本語でも絵本を卒業して漫画や小説に興味を持ち始めます。英語も同じように、漫画や小説を利用して語彙力を上げていきましょう。
漫画であれば絵本のように日本語訳がなくてもある程度意味がわかりますし、最近は日本語訳付きの本も沢山販売されています。
注意点としては、お子さんが好きな漫画や小説を選び、楽しめることです。本を選ぶときはお子さんの興味関心に気を付けましょう。
【聞く】アニメを英語で聞き英会話を学ぶ
外国語活動では「話す」学習の中で、挨拶や感謝、簡単な指示、依頼について学びます。
例えば、
“Here you are.”
といった簡単な会話です。
こうした会話はまず先生がお手本を見せて意味を理解することから始まります。
家庭でも簡単な英会話のお手本を聞く機会を作ってみましょう。
長時間の映画ではなく、15分ほどの1ストーリーで終わるアニメがおすすめです。
お子さんも疲れずに楽しんで見られますし、アニメでは英会話が中心なのでアニメーションを見ながら英会話を学べます。
日本語訳ではなく、英語訳を表示して意味を推測する力もつけてみましょう。
【話す】アプリゲームで自信をつける
お子さんが英語を勉強した内容を自信に変えるためには「できた!」と思える体験を多く与えることが大切です。
アプリゲームはお子さんのやる気を上げる身近な方法ですよね。
しかし、英語のアプリは沢山の種類があり、どれを使ったら良いのか迷いがち。
おすすめは、英語の発音を聞いて答えるゲームや、発音を真似して診断してもらうゲームです。
スペルや意味などの単語力を試すゲームは間違えると英語嫌いに繋がりかねないので、小学中学年は楽しみながら「聞く」「話す」を中心としたアプリゲームを使いましょう。
【小学校高学年】インプット30%アウトプット70%で勉強内容を定着
小学5年生からは、外国語活動で学んだ「聞く」「話す」に加えて「読む」「書く」活動が始まり、「外国語」の教科として成績がつきます。
「読む」学習では、活字の読み方を学び、簡単なパンフレットや掲示を見て情報を読み取る勉強をします。
「書く」学習では、単に単語の書き写しなどをするだけではなく、自己紹介やものの説明など目的のある「書く活動」を中心に行います。
段々と難易度が上がる英語の勉強が嫌いにならないように、家庭では「英語を使う」アウトプット活動を多めに取り入れ、お子さんに自信を持たせましょう。
【読む】英単語帳を購入して辞書代わりに使う
小学5~6年生で学ぶ単語は600語~700語。
辞書を持つにはまだ語数が少ないため、代わりに英単語帳を持つのをおすすめします。
単語帳には、それぞれの単語の読み方や意味、熟語などが載っているので便利です。小学生向けの英単語帳や英検5級の英単語帳を見て、お子さんにあったものを購入しましょう。
英単語帳はあくまで「勉強のサポート」に使い、英単語帳を使って勉強をしないようにしましょう。
英語を使えるようになるためには、英語を聞いたり、英文を読んでどのように単語が使われているか学ぶことです。単語1語を覚えたところで使えるようにはなりません。
【書く】市販のドリルで勉強する
「書く」活動は、他の3技能よりも時間がかかり英語嫌いになる原因が高いです。
アルファベットを書くのも一苦労ですが、単語と単語の間にスペースを空けたり、行をまたいで単語を書いてはいけないルールなど細かい点に慣れる必要があります。
書く練習は授業以外にも行うと、どんどん書くスピードがアップしますよ。
ノートに授業内容を復習するだけでも効果はありますが、市販のドリルなどを使えば、どのように書く練習をしたらよいかわかって一石二鳥です。
お子さんに自分に合ったドリルを探させて「自分で勉強する」モチベーションを持ってもらいましょう。
【話す】聞いた英語をリピートする(繰り返す)
小学高学年の「話す」学習では、活字を発音したり、アクセントやイントネーションを学びます。
英語で話す際、どこを強調すればいいか、語尾は上がるのか下がるのかなどを学ぶので、まずは英語を聞いてリピートしてみることから始めてみましょう。
アニメや動画を見ながらであれば、英語の字幕付きでリピートしてみる。
英文を音読してくれるアプリなどはお子さんのペースで英文を聞き直せるのでおすすめです。
自分で英語を話すことで、英語を「聞く」勉強にもなり学習効果がより得られます。
発達段階ごとに勉強法を変え中学校につなげる英語力を身につけよう
小学校の英語必修化に向けて家庭でできる英語勉強法を学年別にご紹介しました。
小学生のお子様を持つ保護者であれば、お子様が勉強についていけるか心配になるのは当然です。
日々子育てや仕事で忙しい中、英語の勉強をサポートするには、発達段階に合わせた学習方法を理解するのが大切。
ご紹介した英語勉強方法は、それほど費用もかからないので簡単に始められます。
お子様と一緒に英語の勉強を楽しむ気持ちを持ってスタートしてみてください。