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IELTSとは
IELTS(アイエルツ)とは、英語のレベルを測る英語検定の1つです。
日本にはあまりなじみがありませんが、世界140カ国、1200以上の会場で開催されています。
留学や進学、研修、移住などの場面で必要となります。
IELTSの種類
IELTSには、「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類あります。
アカデミック・モジュール
アカデミック・モジュールは、高校や大学などの教育機関への出願に必要なテストです。
例えば、カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アメリカでは、ほとんどの教育機関でIELTSのアカデミック・モジュールを活用しています。
ジェネラル・トレーニング・モジュール
ジェネラル・トレーニング・モジュールは、生活や仕事、移住に必要なテストです。
例えば、カナダやオーストラリア、ニュージーランドでは、移民申請の条件となっています。
IELTS試験の概要
日本でも、全国の主要都市で実施されています。
16歳以上が受験可能であり、受験費用は1回につき2万5380円となっています。
受験の申し込みには、①テスト当日に有効なパスポートと②IELTS IDの登録が必要ですので、事前に準備しておきましょう。
IELTS試験の内容
IELTS試験の問題は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4ジャンルに分かれています。
それぞれの問題数は、リスニングが40問、リーディング40問、ライティング2問、スピーキング3問です。
テストの合計所要時間は、約2時間45分です。
IELTSのスコアについて
IELTSのスコアは、他の検定のように正解数に応じて厳密に点数が出るのではなく、スコアに幅をもたせたBANDスコアという方法で評価されます。
具体的には1.0~9.0の範囲で、0.5刻みのバンドが用意されています。
このBANDスコアはリーディング・ライティング・スピーキングの各ジャンル毎にスコアがつきます。
さらに、その4つの平均点をOverALLバンドスコアとして、総合英語力を評価できます。
IELTSとTOEICやTOEFLとの違い
英語のテストとして有名なものに、TOEICやTOEFLがあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
TOEIC | ビジネス英語が中心。主に国内で活用でき、海外の教育機関にはあまり通用しない |
TOEFL | 特にアメリカなど海外の大学進学に必要 |
IELTS | 幅広い専門的な分野が出題される。学術的な知識や解答のスキルが必要 |
※表は左右にスクロールしてご覧ください
IELTSの対策方法
ここから本題に移りましょう。
初心者でも、しっかり対策すれば高スコアも夢ではありません。
公式問題集を解いて自分のレベルを把握する
IELTSの公式問題集は、IELTSの問題を作成している団体のCambridge English Assessment(ケンブリッジ大学英語検定機構)とCambridge University Press(ケンブリッジ大学出版局)によって作られています。
本番同様の模擬テスト4回分が収録されているので、問題傾向を知るのに適したテキストです。
まずは試しに解いてみて、自分の現段階での英語力を確認しましょう。
IELTSの公式問題集の選び方
テキストは、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールでそれぞれ分かれています。
表紙を確認して間違えないようにしましょう。
さらに、オーディオが付いているタイプと付いていないタイプの2種類があるので、値段と相談しながらお好きな方を選んでください。
▼アカデミック・モジュール(上:オーディオ付き、下:オーディオなし)
▼ジェネラル・トレーニング・モジュール(上:オーディオ付き、下:オーディオなし)
公式問題集を解いて今後の計画を練る
まずは一度だけ、公式問題集の問題を本番と同様に解いてみます。
これによって、IELTSの試験の流れや時間配分の目安、問題の難易度など、試験の全体像を知ることができます。
そうしたら、今後の学習の計画を定めます。
特に、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4ジャンルの中で、自分の苦手なジャンルには時間をかけてじっくりと対策しましょう。
必要な学習期間の把握
学習に必要な期間を明確にすることで、だらだらと勉強するよりも集中して学習に取り組むことができるので、学習内容が頭に入りやすくなります。
一般的に、IELTSで0.5のスコアを上げるために、200~300時間の学習時間が必要です。
分かりやすいように、自分の今のOverALLスコアが5.5(大学卒業レベル)であり、海外大学院でOverALLスコア6.5が求められているとしましょう。
1年前から学習を始めたとしても、月に50時間は勉強時間を確保しないといけないことになります。
つまり、週に10~15時間の勉強が必要となるので、平日は毎日1時間勉強し、週末は3~4時間の勉強が必要となります。
このように考えると、計画的な学習が不可欠ですね。
IELTSの単語対策
まずは単語帳で、IELTSに頻出の単語をひたすら覚えましょう!
基本的に、英語力のベースは文法と単語でできています。
また、文法については高校時代にだいたいがカバーできているので、英語試験に向けた学習においては、ますは単語を覚えることから始めるのが効果的です。
- まずは単語を繰り返し見て暗記する!
IELTS対策の単語帳の選び方
IELTSは学術的な単語が数多く出題されるので、TOEICのビジネス英語や、大学受験に必要な英語とは異なります。
IELTSに特化した単語帳を選択しましょう。
おすすめは以下の参考書です。
- 目標とするバンドスコアに合わせて学習しやすい
- IELTSに関する詳しい情報や受験・留学経験者の体験記、単語の覚え方などのコラムも充実
- 全単語の発音と例文の音声を無料でダウンロード可
これを全て覚えて過去問?(IELTS10,11,12) を解いたところ、わからない単語は1セクション10単語ないくらいまで行けました。点数としては6.5〜7.0で安定。
Amazon カスタマーレビュー
- 近年の出題問題のデータベースを徹底分析し厳選した単語を収録
- 頻出トピック別ストーリーを読んで覚えることでリーディング力も強化
- 8時間39分の音声ダウンロードサービス付
内容自体がバラエティに富んでいて、仮想通貨から地理的なお話から、歴史まで幅広く扱っているので、単純に面白くていいですね。
Amazon カスタマーレビュー
- 単語は難易度別にAからDまで分類
- 必ず出題される同意語とテストで注意すべきポイントをコメント欄に掲載
- 全見出し語→全フレーズの日本語→全英語フレーズを収録した音源は無料ダウンロード可
単語と例文がそれぞれで書いてあるのでとてもわかりやすい!
もちろん書き込みはたくさんしましたがスペースもあり、やりやすいです!Amazon カスタマーレビュー
- 単語は「易(英検準2級レベル)⇒難」の順でスコアレベル別に掲載。無理なく実力アップ可能
- 単語だけでなくコロケーション自体もIELTS頻出の表現ばかりなのでムダがない
- ネイティブスピーカーによるダウンロード音声を活用することで、耳と口を使ったトレーニングもできる
本書を用いてIELTSで高得点、さらには留学が実現できるのではないかと感じました。
イギリス、オーストラリア、カナダに留学を目指す人はもちろん、アカデミックな単語を覚えたい人にはオススメです。Amazon カスタマーレビュー
ジャンル別の対策法
公式問題集を解いてみて、自分の苦手分野を把握した後の勉強方法を解説します。
基本的に、IELTS対策で最も活用できるのは公式問題集となります。
いろいろな参考書に手を出すよりも、公式問題集を徹底的に何度も繰り返し解く方が効果的ですのでおすすめです。
公式問題集は最新の14巻だけでなく、より古い12、13巻なども揃えると良いです。
公式問題集には、本番の形式に合った良問が掲載されていますので、他の問題集を解くよりも実力アップに効果的です。
IELTSのライティング対策
文章を書くためには、そのための引き出し=ボキャブラリーが必要です。
単語帳を用いた学習は継続的に行いましょう。
また、ライティング対策には実際に文章を書いてみる必要があります。
実際の試験における問題形式はすべて記述式です。
2つの課題に対して、60分以内に英文を作成します。
アカデミック・モジュール | 1:グラフを見て特徴を説明する 2:テーマについて、自分の意見や主張を論理的に書く |
ジェネラル・トレーニング・モジュール | 1:お礼や依頼、苦情など手紙を作成する 2:テーマに対する自分の考えとその理由を書く |
※表は左右にスクロールしてご覧ください
IELTSのスピーキング対策
リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのうち、スピーキングのみ別日に実施します。
形式は面接官とのインタビュー形式となり、全部で3つのパートに分かれます。
パート1 | 名前や出身地、趣味など自己紹介を質問形式で答える |
パート2 | 指定のテーマについてスピーチする |
パート3 | パート2を踏まえて、面接官と議論する |
※表は左右にスクロールしてご覧ください
全体で15分ほどで終了します。
スピーキング対策は日本人にとって最も難しいジャンルです。
スピーキング対策には実際に話す必要がありますが、身近に英語で会話できてかつその間違いを正してくれるような人はなかなかいないと思います。
そこでおすすめなのは、オンライン英会話を活用することです。
現在は様々なサービスがあるので、自分に合う物を見つけましょう。
IELTSのリスニング対策
IELTSに出てくる学術的・専門的な英語を学ぶのに、TED TalksやVoice Tubeがおすすめです。
勉強に疲れたら気分転換にも良いですね。
TED Talksは、日本でも有名で、Youtube等に動画があげられているので、目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
各分野の専門家がスピーチを行っているので、IELTS対策にはぴったりです。
また、英語学習者に評判の高い「Voice Tube」もおすすめです。
自分の好きな分野やレベル別で動画を探すことができとても便利です。
動画の中で気になった単語が出てきた場合、画面上でその単語をクリックだけで調べることができるので、辞書いらずです。
中には面白い動画もたくさんあるので、勉強に疲れた時にもおすすめです。
IELTSのリーディング対策
リーディングのために、読解力と速読力の双方が不可欠です。
一つずつ具体的な学習法をご紹介します。
読解力を向上させる方法
読解力をアップさせるためには、公式問題集などの中で出てきた文章中の文法や単語の意味をしっかりと確認することが必要です。
時間はかかりますが、リーディングスコアアップのためには欠かせない作業です。
- 分からない単語はきちんと調べる
- 単語に含まれる他の意味、類義語、前置詞との組み合わせ方、例文などもチャックする
上記①を行うことで、その単語の持つ潜在的な意味をつかめるようになるので、他の文脈で出てきても対応することができます。
解説書には、一面的な意味しか載っていないため、単に丸暗記しても応用力がつきません。
出会った単語についていちいち辞書を用いて確認することで、一度に何倍もの知識が得られ、長期的に見ると効率的に学習を進められるのです。
続いて、文法についても以下のようにじっくりと見ていきましょう。
- 長い文はSVOで区切る
- It、Theyなどの代名詞が指すものを明確にする(対応する部分と線で結ぶと良い)
- 「It…to」「It…that」などの構文を丸で囲む
- 関係代名詞とそれを含む節をカッコで囲み、関係代名詞の先行詞を四角で囲う
- 分詞構文などで省略されている単語を書き込む
- 文章中で全く同じ表現の言い換えなどに線を引く
以上の作業は、例文をコピーしたりノートに書き写してから行うよりも、原本に直接書き込むのがおすすめです。
今後も何度も読み返すのに、コピーなどと比べてまとまって保管できるので便利です。
長期的に繰り返し使用することを考えると、直接書き込むこと方が学習効果も高まるので強くおすすめします。
また、書き込みには色つきのマーカーやボールペン等を用いましょう。
この分類にはどの色を使うかなどは、自分の好みで構いません。
自分にとってやりやすく、継続しやすい方法を見つけることが重要です。
速読力を向上させる方法
単語や文法の使われ方をチェックして文章の意味を把握しきった文章を、今度はできる限り早いスピードで読むということを繰り返し行いましょう。
一度読み込んでいる文章ならば、意味を捉えやすいので、早いスピードでも読みやすいかと思います。
このトレーニングによって、「速く読む」という感覚を得ることが目的です。
速く読むことに慣れていない初めの頃は難しいかもしれませんが、徐々に目の動きにも慣れてくるでしょう。
スピード感を身につけることで、初めて読む文章でも同様に速いスピードで読むことができるようになります。
まとめ
以上、IELTS対策について解説してきました。
しっかりと対策を行えば、高スコアを獲得することも決して不可能ではありません。
本記事が皆さんのIELTS対策の一助となれば幸いです。