益岡 想
慶應義塾大学経済学部卒のアメリカ在住12年間の帰国子女。
英語検定一級、TOEIC990点、TOEFLiBT 110点超え。TOEICは990点を一度だけでなく、3回連続で出している。数々の日本の英語検定系の試験を受けてきて、高得点を叩きだしてきた。
英語が話せるようになるには、文法を知る、単語を覚えるなど様々な工程がありますが、最も大切なことは、英語そのものにたくさん触れることです。
日本語話者が英語習得にかかる時間は、およそ3,000時間と言われています。
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洋楽で英語学習をするメリット
好きな曲に親しんでいるうちに、英語のリズムや表現に自然とたくさん触れることができ、英語の基本構造がいつの間にか感覚的に分かるようになります。
さらに、アーティストの曲に合わせて一緒に歌を歌っているうちに、発音も良くなっていきます。
【初級者向け】 英語に効く!オススメの曲
ここでは初級レベルの英語学習者や、大人のやり直し英語にオススメの曲をご紹介します。
簡単な単語に聞きやすい発音で英語の基礎力UPに役立ちます。
カーペンターズ「Top of the world」
アメリア出身のカーペンターズは、兄妹のポップミュージックデュオです。
大変有名なので、カーペンターズの曲を一曲くらいは聞いたことがあるという人がほとんどでしょう。
カーペンターズの曲は、発音がとても聞きやすく、歌詞も日常に使う言葉を使用しています。
中学英語で学ぶ簡単な言葉のフレーズや言い回しが多いので、そのまま覚えて使っても良いですね。
「Top of the world」は1972年にリリースされ、多くのアーティストがカバーしています。
ジョン・レノン「Imagine」
ジョン・レノンは、世界的に大変有名なイギリスのロックバンド、「ビートルズ」の一員で、解散後はソロ活動もしていました。
1971年にリリースされた「Imagine」は世界平和を歌った曲で、今もなお世界中で愛される名曲。
ジョン・レノンの代表作ともいわれています。
平易な英語で誰にでも分かりやすく書かれた歌詞と、心を打つスローテンポな曲調で、反戦のメッセージを伝えています。
「ビートルズ」の曲も、簡単な英語で書かれたノリの良い曲で、英語学習の楽しいお供になるでしょう。
フールズ・ガーデン「Lemon tree」
フールズ・ガーデンはドイツ出身の4人組音楽グループです。
1993年のヒット曲「Lemon Tree」は、40ヵ国以上の国で翻訳された、大変人気の曲です。
彼らはドイツ人ですが、歌詞はドイツ語ではなく、全て英語で書かれています。
曲調は、イギリスの「ビートルズ」系と言われております。
「Lemon Tree」は大変平易な英語で書かれており、ついつい口ずさんでしまうテンポの良い曲です。
歌詞の内容も、普段の生活のことや心情を歌っているので、表現を真似して使いやすいです。
イディナ・メンゼル「Let it go」
イディナ・メンゼルはアメリカの歌手。
大ヒットディズニー映画「アナと雪の女王」(日本公開2014年)の主題歌「Let it go」を歌いました。
「Let it go」は第86回アカデミー賞歌曲賞を受賞。
美しい歌声の「Let it go~」は誰もが知っているサビ部分ですよね。
映画と同じくらいこの曲も大人気となりました。
歌詞は映画の内容とリンクしており、子供向け映画に適した、簡単で分かりやすい英語で書かれています。
ディズニー映画で流れる曲は、子供向けなので、とにかくシンプルで分かりやすい表現が使われています。
【中級者以上】オススメの曲
中級者以上の人は少しテンポの早い曲調のもので、さらに英語に慣れていきましょう。
基本的な文法を理解している中級者以上の方が聞きこむことで、さらに英語力が磨かれます。
スティング「Every breath you take」
スティングはイギリスのシンガーソングライターです。
ソロになる前はロックグループ「ポリス」で活動していました。
1993年にリリースされたヒット曲「Every breath you take」は、「ポリス」時代の名曲です。
この「Every breath you take」も様々なアーティストがカバーしています。
この曲では「韻を踏む」という英語特有のリズムが良く分かります。
韻を踏むとは、例えば「Every breath you take/ Every move you make/Every bond you break/Every step you take」では、「take/make」は「テイク/メイク」、「break/take」も「ブレイク/テイク」などと単語を似たような読み方で統一することです。
韻を踏むと、特定のリズムが生まれます。
日本語にはあまり「韻を踏む」ことがありませんが、英語では常識というくらい普通に行われています。
スザンヌ・ヴェガ「Tom's diner」
スザンヌ・ヴェガはアメリカのシンガーソングライター。
1981年にリリースされた「Tom’s diner」は、30年以上も経っていますが、様々なアーティストにカバーされ、オリジナル、カバーと共に、現在も人気の曲です。
オリジナルバージョンよりも1990年にDNAとういイギリスのバンドが作ったリミックス版が有名になり、それをきっかけに「Tom’s diner」は全世界に知られるようになります。
オリジナルバージョンは、無伴奏のアカペラで歌われています。
内容は、早朝のニューヨーク、街角にある「トムの軽食堂」でのありふれた日常を淡々と語った曲。
オリジナルもリミックス版もどちらも、ニューヨークのクールで都会的な雰囲気が感じられます。
DNAの他、有名なのはジョルジオ・モロダーとブリトニー・スピアーズのコラボでカバーした曲です。
色々なバージョンを聞き分けてみるのも、面白いでしょう。
ブルー・マーズ「Just the way you are」
ブルーノ・マーズはアメリカの歌手です。
彼は、「最もグラミー賞を多く獲得したアーティスト」と言われてます。
2010年にリリースされた「Just the way you are」は大変有名な曲で、メロディもアップテンポで大変なじみが良いのが特徴です。
歌詞も「Just the way you are=ありのままで」と、愛のメッセージにあふれたパワフルな内容。
英語も簡単なので、基本的な文法力のある中級者以上なら、辞書を使って内容を理解するのも難しくないので、内容をしっかり把握して、ぜひ感情をこめて歌ってみましょう。
感情を込めることで、英語の発音だけでなく表現もどんどん習得していきます。
また、「Just the way you are」は、関係代名詞の「目的語の後にくる関係代名詞の省略」の理解にも役立ちます。
アヴリィル・ラビーン「Sk8er Boi」
アヴリィル・ラビーンはカナダ出身のシンガーソングライター。
2002年発表の「Sk8er Boi」は、「スケーター・ボーイ」の意味。
「Ske8er Boi」は、彼女の最もヒットした曲と言われています。
この曲も大変有名なので、きっとたくさんの人が聞いたことがあるでしょう。
アップビートで少し早いけれど、歌いやすい曲です。
この曲も簡単な英語とシンプルな文法構造で、ある男の子と女の子の恋愛話を描いています。
他には、スローテンポな曲調の「Wish you were here」も、おすすめです。仮定法過去の「I wish+主語+過去」で、「~だったら良いの」という現実に起こりえない想像を表すのですが、この曲で、仮定法過去の意味も掴むことが出来ます。
「you’re always there、you’re everywhere. But right now Iwish you were here」で、現在形の文と仮定法過去の文が並ぶことで、仮定法過去の「I wish you were here」の意味がより把握しやすくなっています。
洋楽で英語力をUPさせる効果的な方法を紹介
ここでは洋楽を使ってさらに効率よく勉強するための方法をご紹介します。
- 歌詞を見ないで何度も聞く
- 歌詞を見ながら何度も聞く
- 英語の歌詞を訳す
- 意味を知ったうえで、曲を聴きながらひたすら真似して歌う
- 歌詞を見ないで歌えるようになるまで、繰り返し歌う
歌詞を見ないで何度も聞く、歌詞を見ながら何度も聞く
歌詞を見ないで何度も聞く、歌詞を見ながら何度も聞く、これを英語の音に慣れるまで行います。
意味の把握よりも、音に慣れること、そして音がどのように文字にのっているのかを知ることです。
例えば、「get it out」という言葉は、日本語で読むと「ゲット・イット・アウト」ですが、英語で読むと「ゲディダウト」と一息です。
文字を見ると分かるのに、聞くと分からない理由は、英語の音の繋がりが分からないためです。
洋楽は英語の音の繋がりを身に着けることができます。
セカンドステップは、内容を把握することです。
英語の歌詞を訳す
歌詞の和訳は参考までにとどめ、自分で訳してみましょう。
完全に和訳する必要はありません、英語を前から順番に訳していき、意味が理解できればOKです。
意味を知ったうえで、曲を聞きながらひたすら真似して歌うこと
仮にどうしてもわからない部分があるなら、完璧を目指さず、分かる範囲で大丈夫です。
様々な英語に触れるうちに、理解するチャンスはいずれ訪れます。
歌詞を見ないで歌えるようになるまで、繰り返し歌う
セカンドステップでは、内容を把握した上で歌うことがポイントですが、脳の言語を取り込む特性と関係しています。
「意味の分かる言葉」を聞くか読むかする時に、脳は言語を取り込みます。
内容を理解して感情をこめて歌うことで、どんどん英語の構造を丸ごと脳は取り込み、私たちは言語を習得していきます。t
たくさん歌える歌が増えたら、自分の英語力が一段と上がっていることにいずれ気が付くでしょう。
洋楽で英語を勉強する時の注意点
洋楽は楽しみながら英語を学べるので、勉強が堅苦しいと感じる方や歌が好きな方にはぴったりです。しかし、一つ注意点があります。
洋楽だけを使って、英語に触れないことです。
映画やドラマを見たり、本を読むなどの方法も適宜取り入れましょう。
理由は、歌詞は文法的に、省略やアレンジが加えられていることがよくあるからです。
そこを留意さえすれば、洋楽はいつでもどこでも楽しみながら英語に触れらる、手軽で便利な英語力アップの強い味方です。
英語学習に効く!洋楽の見つけ方
英語学習向けの洋楽はあまり早すぎない曲が良い
はじめは、バラードなどからはじめると入りやすいでしょう。
発音が聞きやすく、程よいテンポの曲もおすすめです。
同じアーティストの曲を選ぶのも良い
また、歌いやすい曲を見つけたら、同じアーティストの曲を選ぶのも良いですね。
同じ人が歌うので発音の特徴がつかみやすく、聞きやすく歌いやすいという利点があります。
使われている単語や表現も比較的似ているので、スピーディーな語彙力強化にも役立つでしょう。
逆に避けた方が良いのは、ラップやヘヴィメタルなどの、何を言っているのかよく分からない曲です。
ラップは、スラングなども他の曲よりも多く使われており、共通語としての英語を習得するにはあまり適しおりません。
よって英語学習用は選ばない方が無難です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
好きな洋楽アーティストの曲や、CMなどで流れてくるかっこよい洋楽を「何を言っているのかな?歌えるようになりたいな」と思ったことは、誰でも一度はあるかも知れません。
しかも、洋楽は英語習得に役立つ便利なツールです。
歌を歌いながら、英語特有の発音やリズム、表現も身に着けることができます。
ぜひ、こちらでご紹介した曲を参考に、お気に入りの曲を歌えるようになって英語を楽しくマスターしていきましょう。